デザイナーズシリーズ


赤坂 真一郎(建築デザイナー)
Shinichiro Akasaka
今ではすっかり見られなくなりましたが、ほんの数十年前までは、お盆やお彼岸にご先祖様のお墓の前に親戚が集まり、語らいながらお弁当やおはぎを頬張る…。こんなほのぼのとした光景があちこちで見られたものです。この墓石「えん」はそんな暖かな気持ち、ご先祖様との語らいをかたちにしたものです。円形にくりぬかれた特徴的な石のシェイプは広い墓地の中での視認性(存在感)を高めると同時に、ご高齢の親族の方でもゆっくり座してお参りしていただく為のベンチにもなっています。その周りには故人が好んでいた草花や墓標周辺に奥行き感を与える低木を植えることが可能な植栽スペースが設けられています。こうした植栽がある墓石が増えることで、近年増えた石だけで埋め尽くされ乾いた墓地に、潤いのある「緑にあふれる墓地」の風景を取り戻すことが出来ると考えています。
「えん」は縁であり、円であり、環(つながり)を意味するのです。
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越田 朋之(グラフィックデザイナー)
Tomoyuki Koshida
石が本来もつ美しさを引き出すため、
装飾を抑えたデザインにはオブジェを思わせる佇まいと、
空間に調和する研ぎすまされたフォルムがある。